海事代理士は海に生きる法律家

海事代理士は法律家の一つで、海事法令に基づく申請や代理をを専門的に取り扱う隣接法律職です。
その歴史は古く、海事代理士と呼ばれるようになったのは戦後からですが、戦前は海事代願人と呼ばれていました。

日本は島国であり、普段から国境を見ることがないのと同様、歩くことのできない海上のことや、船のことを見たり触れたりする機会も多いとは言えませんから、海や船にまつわる国際的なルールや、それらに基づいたさまざまな海事法令、またその専門の法律家がいることはご存じないかも知れません。

わたしたち海事代理士は、なかなかお目にかかる機会の少ない存在ではありますが、海の法律家として、海上事業や海洋レジャーに関わる方々を支援し、皆さまの生活の向上と、社会の発展に貢献することを使命としています。

海事代理士になるには

海事代理士になるには、海事代理士試験に合格し、海事代理士として登録することが必要です。
弁護士、司法書士、行政書士等の他資格をもって、海事代理士の登録をすることはできません。

受験資格

学歴、年齢、性別等による制限はありませんが、欠格事由に該当する方は海事代理士の登録ができません。

欠格事由

未成年者
成年被後見人または被保佐人
禁固以上の刑に処せられ、その執行が終わって、または執行を受けることがなくなってから、2年が経過していない方
公務員、国会職員で懲戒免職の処分を受け、その処分の日から2年が経過していない方
海事代理士で登録抹消の処分を受け、その処分の日から5年が経過していない方

試験内容

1.筆記試験(試験地: 各地方運輸局)

憲法・民法・商法(海商)
国土交通省設置法・船舶法・船舶安全法・船舶のトン数の測度に関する法律・船員法・船舶職員及び小型船舶操縦者法・船員職業安定法・海上運送法・内航海運業法・港湾運送事業法・港則法・海上交通安全法・造船法・海上汚染等及び海上災害の防止に関する法律・国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律・これらの法律に基づく命令

毎年9月末ごろ実施

2.口述試験(試験地: 東京・国土交通省)

船舶法・船舶安全法・船員法・船舶職員及び小型船舶操縦者法・これらの法律に基づく命令

毎年11月末ごろ実施